温泉療法


滞在型「温泉療養」プログラム

短期

1~2泊または、3~4泊の短期療養の場合、客観的な治癒効果への期待は薄いかもしれませんが、(1)精神安定、(2)気分転換、(3)睡眠不足解消、(4)疲労度解消などの、温泉療養効果を得ることが見込めます。以下は、症状別の入浴方法の例です。

温泉イメージ

  • ストレス解消 … ぬるめの湯で長湯をする。
  • 肥満予防 … 数分の高温浴を2~3回繰り返す。
  • 慢性消化器病 … 飲泉と入浴。
  • 慢性婦人病 … 熱い湯なら5分、ぬるい湯なら約15分の入浴。
  • 慢性便秘 … 湯に浸ってから浴槽内で腹部のマッサージをする。
  • 腰痛・関節痛 … ぬるめの湯に浸り軽く患部を動かす。
  • 冷え性 … ぬるめの湯に半身浴で長めに入浴。

効果については個人差がありますが、これは非日常への移動(転地効果)と、温泉入浴(精神的効果)という行為によるものが大きいと考えられます。

中・長期

中・長期療養では、短期滞在型時同様の入浴方法の実践を行いますが、3日目以降は入浴回数を最大3回までに増やし、温泉浴する時間帯を朝・昼・晩の3回とします。

また、実施前に温泉療法医などによる健康診断及び健康相談を行うことも効果的です。

これにより、滞在前後の温泉療養効果を医学的、客観的に判定することが可能となり、個人の体調、健康状況に応じた個別「健康づくりプログラム」の実践ができます。


部分浴

足湯に浸かる様子

足湯・・・15分

温泉街を散策する前などに実施すると有効です。足湯に入ることにより、疲労物質である「乳酸」の蓄積を抑える効果があります。

移動中や移動後も、負担のかかった筋肉を温熱によりほぐす効果があります。しかし、過度の筋肉痛の場合は利用は適さないので注意しましょう。



全身浴

短期間で温泉成分の効能を得ることは難しいかもしれませんが、温浴による主観的な効果は短期滞在でも可能です。 ここでは、特に精神的な改善が可能な温泉入浴法を解説します。

1.掛かり湯(約30杯)

掛かり湯 イラスト
掛かり湯

温泉入浴の最初に行います。

心臓より遠い位置(つま先、腕など)から温泉を掛け始め、最後は頭髪、頭皮に掛けます。 この行為は、温泉の温度確認、皮膚への感触確認となります。

また、現在大きな問題となっている「レジオネラ菌」の浴槽内への持ち込み防止につながるため、必ず実行しましょう。 (髪を濡らすことが出来ない場合は、シャワーキャップなどをして湯船に入ると良いでしょう)


2.半身浴(約10分)

半身浴 イラスト
半身浴

湯船の淵の段差などを利用して、上半身を出した形での入浴法です。

肩まで入浴すると約500㎏の水圧が体にかかり、体内の血液循環が活発になる前に体の表皮が熱の刺激を受けます。結果、充分な保温効果が得られる前に湯から上がってしまうことになり、湯冷めの原因になります。

一方、半身浴の場合は、水圧による負担が少ないので長時間の入浴が可能となります。脚部の末梢血管等も充分暖められ血管も膨張し、血流が良くなります。心臓から送り出された血液が温められ、心臓に戻ることになるのです。

血液は約1分で体内を一巡します。約10分の半身浴により、血管の充分な膨張による血流量の増加、血液温度の上昇による活動の活発化が期待でき、冷え性の改善に効果があります。


3.浮き身浴(運動浴と併用して約15分)

浮き身浴 イラスト
浮き身浴

浮き身浴とは、湯船の淵に頭を乗せ、体全体を浴槽内に伸ばした状態での入浴法です。

浮き身になることにより、心臓に対する負担を軽減すると共に、日常生活での狭い浴槽から開放された精神的なリラックス感を体験することができます。

またこの時、水圧による抵抗と浮力による負担軽減を上手に利用した運動浴(脚部の開閉運動による筋力強化、腕を動かすことによる各関節の運動など)が可能です。

4.運動浴(浮き身浴と併用して約15分)

運動浴 イラスト
運動浴

運動浴は、温泉の水圧、抵抗を利用した運動をしながらの入浴法です。

歩行浴、腕、肩、腰、足の運動浴があり、いずれの運動浴も日常生活で使用頻度の少ない部位を意識的に動かします。これにより、温まった血液を末梢血管まで送り、収縮していた筋肉を伸ばします。


※入浴により体内の水分は少なくなっています。入浴後は水分補給を十分に行ってください。


入浴時間と回数

1~4までを行うと、約30分の入浴時間となります。うっすら額に汗が出る程度を目安として入浴することが望ましく、場合によっては途中で休憩を入れることが必要です。 入浴回数は、初日は1~2回を目安にして行い、徐々に入浴回数を増やすようにしましょう。ただし上限は1日3回までです。


注意事項

泉質や症状によって注意しないといけないこともあります。詳しくは「温泉療養基礎知識」の「禁忌症と飲泉・入浴時の注意点」をご覧下さい。


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