
世界でも珍しい“モール(植物性)の湯”が湧出する北海道・十勝川温泉。 まろやかなお湯で、からだの芯までよく温まり、美人の湯としても知られます。 四季を通じて大自然を満喫できるアウトドアも魅力です。
豊かな自然に恵まれた十勝平野の中央に位置する十勝川温泉。穀倉地帯が広がる雄大な景色の中、十勝川のほとりに温泉旅館・ホテルが点在しています。
十勝川温泉は植物性モールと呼ばれるお湯で、世界に2カ所しかないといわれる貴重な温泉です。「モール」とは、亜炭などを指すドイツ語に由来しています。
太古の時代、十勝川温泉のある十勝川河畔は、葦などの植物が自生していました。それら植物が長い時間をかけて堆積し、できあがった亜炭層から湧き出る温泉が、植物性の有機物を多く含むモールの湯です。
モール温泉の特徴は、人体皮下浸透がとても高く、短い時間でからだの芯まで温まること。しかも植物性なので刺激が少なく、まろやかなお湯です。天然保湿成分が多く、まるで化粧水のような役割を果たしてくれます。
せっけん効果もあって、お湯に浸かった後は、肌がすべすべになることから、「美人の湯」といわれます。運動障害、腰痛、神経痛、リウマチ、皮膚病、外傷、骨折、痔疾、胃腸病などの効能があります。

肌にやさしいモールの湯
十勝川温泉は明治33年、依馬嘉平が自然に湧き出ていた湯を野天に作り、これを沸かして近くの人々と利用したのが始まりといわれます。その後明治44年には、湯治のための温泉宿が建設されました。
昭和初期から本格的に開発が行われ、戦後は道東を代表する温泉地として発展してきました。今では、国内外問わず、毎年多くの観光客が訪れています。
世界でも希有な泉質のモール温泉は、貴重な温泉資源です。数ある道内温泉地にさきがけ、平成16年に北海道遺産に選定されました。
北海道遺産とは、次世代へ引き継ぎたい有形・無形の財産の中から、北海道民全体の宝物として選ばれたものです。北海道の豊かな自然、北海道に生きてきた人々の歴史、文化、生活、産業などの各分野から、道民参加によって選ばれています。平成16年現在、北海道遺産は総計52件が選定されています。
十勝川温泉では、この貴重な温泉資源を大切に守っていこうと、温泉集中管理システムを導入し、地域一丸となって資源の保護活動を行っています。

美しい花時計
十勝川温泉のある音更町では、色とりどりの花の季節や、ホタル鑑賞時期、秋の収穫期、白鳥の飛来する白銀の季節など、1年を通じて多彩なイベントが開催され、多くの観光客や地元の人たちでにぎわいます。
花の時期(6月下旬~8月末)に行われるのが、「ハナックフェスティバル」です。十勝が丘公園にある花時計「ハナック」は、直径18m、秒針の長さが10m10cmもあり、ギネスブックにも紹介されました。
この花時計にちなんで開かれるこのフェスティバルは、十勝川温泉街をさまざまな花で彩るイベントです。流木プランターなども利用して、色とりどりの花が道行く人の目を楽しませます。
ちょうどこの頃、6月下旬~7月下旬に開催されるのが、「モール温泉夢ボタル」鑑賞会です。かつて十勝川温泉にたくさん生息していたヘイケボタルは、町の近代化とともに、激減していきました。
音更町では、このヘイケボタルが飛び回っていた初夏の光景を呼び戻すため、ホタルの育成に取り組みました。十勝が丘公園にホタルの住むせせらぎを作り、100%モール温泉水を利用して大切に育てられました。冬でも水温が27℃あるため、北海道で最初にホタルを見ることができるといいます。
十勝の秋のイベント「とかち大収穫祭」は、「とかち秋の風物詩とナイトウォッチング」がテーマ。9月~10月の約1カ月間の長期にわたって行われるお祭りで、今年は9月23日~10月30日に開催されます。
秋鮭鍋やゆでトウモロコシ、ふかしいも、いも団子など十勝の旬の食材を使った料理の屋台が並び、郷土芸能の音更駒太鼓の勇壮華麗な演奏、よさこい踊りなどが、十勝エコロジーパークで繰り広げられます。
また、夜のナイトウォッチングは、ガイドの説明を聞きながら、満点の星の鑑賞会です。
十勝エコロジーパークは、自然を楽しむ「環境育成型」公園として整備されてきました。広大な敷地内には緑の森や草原、池や湿地が広がり、さまざまな動植物が生活しています。水と霧の遊び場など子どもたちが自然と一体になって遊べる場や、ピクニック広場、キャンプ場、コッテージなどがあり、自然と人間の豊かな共存を目指しています。

十勝川白鳥まつり
冬が訪れると、十勝平野は白銀の世界。十勝川温泉のすぐ南の十勝川には、毎年1000羽以上の白鳥が飛来し、越冬します。
この季節を彩る祭りは、「十勝川白鳥まつり 彩凛詩(さいりんか)」。来年は1月29日~3月5日までの開催です。幻想的な音と光のファンタジーに、多くの観光客が魅了されます。
十勝が丘公園ハナック広場に無数のオブジェが並び、夜には音楽に合わせてオブジェが赤や青など色とりどりにライトアップされ、点滅します。
昼は十勝川アクアパークで白鳥の観察や、スリルいっぱいのスノーラフティングやスノーモービルが楽しめ、週末には熱気球フライトも行われます。
月刊みんかつ 200号より
2005年10月28日 作成
20年間にわたって発行してまいりました「月刊 みんかつ」が、8月1日号より『こころ色』という名前でリニューアル創刊することとなりました。「温泉地で健康づくり」をコンセプトに、「健康を学び、健康を楽しむ」ライフスタイルを提案しています。
詳細は民活機構のサイトへ